エストニアとタリンの治安と安全対策

海外に渡航するにあたって、現地の治安、安全対策はとても気になるものです。日本で知名度が低く、危険なのか安全なのかよくわからないエストニアですが、旧ソ連圏のイメージから「危険!怖い!」という印象を持っている人は日本人だけではなくヨーロッパの人でもけっこういます。

このブログにも「エストニア 治安」というキーワードでたどり着く方がかなり多いので、以前書いた治安に関する記事に加筆しました(2017年3月30日)

エストニアの治安と首都タリンの犯罪リスク

ネガティブなイメージがつきまとうエストニアですが、実際はかなり安全な国であり、外務省の海外安全ホームページでは、主に「スリ・置き引き」に関して注意喚起がなされている程度です。

そしてエストニアの首都タリンの治安の良さは、パリ・ロンドン等欧州の大都市 < タリン < 日本 という感じです。

世界中の国々の様々なデータを集めているウェブサイト「NUMBEO」では、各都市の犯罪リスクをレベル別に示していますが、このサイトでタリンをチェックしてみると、車上荒らしをのぞくすべての犯罪の発生レベルが「LOW(低い)」になっており、武装強盗に関しては「VERY LOW(非常に低い)」と、とても低い値を示しています。車上荒らしのみ「MODERATE:中等度」ですが、これに関しては貴重品を車内の見える場所において車から離れないよう、地元警察からも注意喚起されています。特に人気のない場所に停めた車が狙われるようです。

そしてこのサイトで、同じくヨーロッパの大都市、ロンドンを検索すると、ヘイトクライムと汚職が「LOW(低い)」になっていることを除くと、他の全ての項目の犯罪レベルが「MODERATE(中等度)」です。同様に、ほぼすべての項目が「MODERATE(中等度)」であるパリにおいては、公共物損壊、空き巣のレベルは「HIGH(高い)」になっています。(フランスでは暴徒化したデモ参加者が車や物を破壊するという事件は少なくありません)

このあたりからも、ヨーロッパの都市の中で、タリンの安全性が高いことがうかがえます。タリンの規模が他のヨーロッパの都市と比べて非常に小さいというのは影響しているかもしれませんが。

東京を同じサイトで調べてみると、自然災害リスクをのぞけば大都市の中ではずば抜けて安全な都市だけに、半分近くの項目が「VERY LOW(非常に低い)」になっています。

フランス出身である夫が、日本で「警察24時」的な番組を見ていて、たまたまだったのはあるかと思いますが、捜査対象のほとんどが「盗撮」や「下着泥棒」で驚いていたことがありましたが、日本で武装強盗等や誘拐にあう危険性は日常的には非常に低いですし、スリや置き引きですら、東京では被害をあまり聞きませんね。日本の治安が非常に良いことがわかります。

さて、このようにタリンは、日本のレベルには達していなくても、世界的に見るとかなり安全な街です。タリンへの渡航よりも、アメリカ、イギリス、フランス、スペイン、イタリア・・・世界の主要な観光地への渡航の方が客観的にみるとより危険です。

しかし、エストニアを国全体で見ると、少し様子が違うかもしれません。実はエストニアは国全体でみると殺人の発生率がヨーロッパの中では比較的高いと言われています。1918年の独立以降、しだいに法整備等がすすんでいることから全体的に犯罪率は減少傾向にあって、特に盗難の発生率は著しい低下をしています。しかし、殺人の発生率は人口10万人当たりの発生率が2014年の4.08から、2015年は3.01と減少しているものの、このエストニアの国全体の殺人発生率3.01という値はヨーロッパの中では決して低い値ではなく、アメリカより若干マシという程度なんですね。

首都タリンは平和でのんびりした街なのでこのデータは意外ですが、エストニア国内でもロシアとの国境沿いはまだ若干混乱があるようなので、その付近の街はまた多少様子が違うのかもしれませんね。Google Mapで見ても、なんだかまだまだ荒廃した雰囲気があります。もっともこのあたりは通常観光客や留学生が行くエリアではないのですが・・・。

また、実はエストニアはドラッグ問題でヨーロッパにおいて悪い意味で注目を集めています。人口比のドラッグによる死亡率がヨーロッパで一番高くなってしまったのです。この問題になっているドラッグはフェンタニルという鎮静剤で、歌手のプリンスの死因もこれが原因だったと言われています。特にロシア系の国境近くに住む若年層を中心に職に就けない者が精神的な苦しみから逃れるために濫用して死に至るという事件が相次いでいるそうです。

メキシコのようにドラッグディーラ―同士の紛争や殺し合いが頻発しているわけではないので、日本人滞在者の安全には直接影響しないものの、エストニアの悲しい側面ではありますね。

タリンに住んで、実際に治安について感じること

実際にタリンに1年近く住んでみての印象は、非常に穏やかな街という感じです。私も夫もいろいろな国に旅行したり、住んだりしていますが、タリンは日本やシンガポール、フィンランドに近い安心感があります。

ヨーロッパの他の国では、数日程度の滞在であっても、スリに取り囲まれる(未遂)、コーヒー強盗をされかける(コーヒーを洋服にかけ、拭くふりをして財布を盗む)、道や地下鉄で思いっきり殴りあっている人を見かける等いろいろなことがあったのですが、タリンではこの1年弱そのような経験はまだありません。唯一見かけた犯罪行為が、万引きして逃げようとしたティーンがガードマンに取り押さえられているところくらいですかね。これは3、4回目撃しました。

アジア系の移民がほぼいないので、他国と比較し、地元の人にアジア人ということで差別的な言動、行動をとられることも今のところは全くありません。スリ・盗難・ぼったくり被害も経験ないです。

酔っぱらいに肩をたたかれて話しかけられたことは1度だけありますが、無視したらいなくなりました。妹は東京で酔っぱらいに話しかけられて無視したら罵られたそうなのですが、エストニアも日本と同じように飲酒の規制があまり厳しくないので、道で遭遇する不快な酔っぱらいに関しては、しかたない存在としてとらえています。暴力行為があるとそうも言っていられないのですが、タリンではこれまでのところ殴りあっている酔っぱらいは見かけませんね(フランスやオーストラリアにはけっこういました)。

※ 私の行動範囲が、家周辺とシティ中心部のみなので、行く場所によっては印象が変わる可能性があります

タリンへの旅行・滞在に際しての注意点

・ 他のエリアへの海外旅行と同じで、観光客が一番気をつけるべきは置き引き、スリ、車上荒らしです。特に旧市街のように観光客が多いエリアは貴重品から目を離さないのが重要だと思います。日本人観光客が受ける犯罪被害もほとんど、置き引き、スリとのことです。エストニアに限らずですが、貴重品を無造作にポケットに入れて歩かない、人がいない椅子やテーブルに置きっぱなしにしないよう注意する必要があります。

・ 観光客が通常行く旧市街、新市街周辺は日中も夜(~深夜まで)も事件にあうリスクは低いです。

・ Airbnbの利用などで住宅街に行く場合は、エリアによって状況が異なります。どのエリアも日中であれば女性の一人歩きでもさほど問題はありませんが、夜になると人通りがほとんどなくなるエリアもあるので注意が必要です。

・ エストニアではタクシー料金の規制がありません。料金の掲示は義務付けられているので、乗る前に確認してください。料金を確認して配車できるアプリTaxifyの利用が便利です。

・ 酔っぱらいが話しかけてくることは時々あります(私の体験上半年に一回程度)。無視すればそれ以上何かしてくることは基本的にありません。

・・・注意するはこんなところでしょうか。注意しつつもリラックスしてタリン滞在を楽しんでくださいね!

 

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