独メルケル首相のタリン訪問と難民問題

つい先日、日本大使館からの注意喚起メールが届きました。在外邦人として届け出を出していると一斉送信で届くやつです。何かなと思って確認したところ「独メルケル首相がタリンを訪問しているため、地元の保守派の人たちが旧市街トームペアエリアの教会のあたりで難民受け入れ反対のデモを計画している。気をつけてね。」といった内容でした。

イギリスのEU離脱に伴ってEUの再編成がおこなわれている今、中心的な存在の国であるドイツのメルケル首相が最近精力的にEU各国を訪問しており、その一環としてエストニアにも訪問してエストニアのロイバス首相と会談を予定していたんですね。

エストニアサイドからは国防において、EU・NATO、そしてドイツのさらなる協力をあおぐことが主な目的だったようです(過去記事はこちら)。そしてエストニアが貢献できることとして、EUのサイバーセキュリティ向上や経済効率アップにエストニアのもつICT、デジタル技術の知見を生かして協力していくことが話し合われたとの報道がありました。そして、おそらくですが、難民受け入れにこれまで通り、そしてこれまで以上に協力すること等が話し合われたと推測されます。

日本の報道では、どちらかというとメルケル首相がイギリスのEU離脱に伴っていろんな国をまわって結束を強めようとしているという視点での報道しかないのですが、このメルケル首相がEUの今後について表明した会見もエストニアのロイバス首相と共同で行われているので、このエストニア訪問は一連のメルケル首相の訪問の中でもわりと大きなイベントだったのかもしれません。

今回の訪問についての地元の人の受け止め方としては、ポジティブな視点だと、イギリスなき今、EUの実質的リーダーになりつつあるドイツがエストニアのデジタル革新を評価し、EU再編の重要なパートナー国としてみなしているという捉え方、ネガティブな視点だとメルケル首相が難民の受け入れを迫りにきたのではないかという視点がある印象です。

今のところエストニアの難民受け入れは、第一陣として実質受け入れされたのは19人(過去記事はこちら)、受け入れが決まっているのが500人強、認定率が2015年で約35%とのことですので、人数だけをみると少ないようでも人口規模を考えると一定の責任を果たしていることが認定率からうかがえます。なおこの認定率、ドイツは59%、日本は0.6%です。日本の難民に対する対応がこんな感じ(こちらをご参照ください)なのは、世界的に有名で、今までいろいろな国の人からネガティブなものから、ポジティブな(!!)ものまで様々なコメントをもらいました。個人的には恥ずかしい数字だと思っていますが、日本は外国人に関して移民や労働者でさえも受け入れるのに抵抗がある国民性なので、難民受け入れを積極的にするというのは難しいんでしょうね。

エストニアは対ロシア防衛においてドイツ、EU、NATOとの協力関係を重視していることから、ドイツ・EUと協調路線をとる方針は当分変わらないと思われます。ということは、EUの一員として責任を果たすことも当然ドイツから求められるでしょうから、エストニアにおける難民の受け入れも引き続き行われていくことが予想されます。

このことは人によってポジティブに受け取る人も、ネガティブに受け取る人もいると思いますが、エストニアに住むことを考えるにあたって考慮すべき要素のひとつであると言えるのではないでしょうか。エストニア政府の方針はこちらで確認できます。非常にわかりやすいので、関心のある方は見てみて下さい。

 

 

 

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