エストニアのタリンに移住をする20の理由

日本人女性で海外に住んでいると、会った日本人の8割に「こちらの人と結婚されて引っ越されたんですよね?」、または「ご主人の仕事のご都合ですか?」と聞かれますが、日本人とフランス人であり、ほぼオンラインで収入を得ている私たち夫婦は、多くの都市からあえてエストニアの首都タリンを選んで東京から引っ越しをしました。

タリンにきて、早4か月半。滞在許可を取り、家も借りて、銀行口座も開き、在外選挙人登録もして、だいぶこちらの生活の基本を築けてきた感じがしています。まだ厳しくて長い冬を迎えていないためなんとも言えませんが、少なくとも今の段階では二人ともタリンに引っ越すという選択をしたことに満足しています。

この機会に実際に住んでみて感じたタリンに移住して良かったことを列挙しました。思いつくままに書いたので順番にあまり意味はありません。

※総合的にみてここの生活に満足はしていますが、もちろんここはタリンのネックかも?という点もあるので、それは別にまとめようと思います。

タリンに日本から移住をして良かった20の理由

①住宅事情が良い

タリン Airbnb

私たちが以前住んでいた東京との比較になりますが、タリンは家賃が安くて家が広いです。例えば、ワンルームなら月200ユーロ~、1LDKなら月400ユーロ~で立地の良い部屋が借りられると思います。また、礼金がなく、敷金・仲介手数料も基本的には一律それぞれ1か月分で大丈夫なので初期費用もかなり低めです。

賃貸契約のハードルが低いのも魅力です。日本やフランスで賃貸契約をする場合、審査が厳しく時間もかかりますが、タリンに到着したばかりのころのまだビザも取得しておらず、エストニアに保証人がいるわけでもない私たちでも、簡単に賃貸契約ができました。※オーナーの性格にもよります

そして、多くの物件に家電・家具がついているので引っ越しもらくらく。自分の好みに合わない家具がある、ベッドのマットレスの固さが好みじゃないなどの難点もあるにはありますが、逆にカーテンから絵画までコーディネートされたおしゃれな部屋が最初から用意されているような物件もあります。

家の改造(棚をつけたり、絵を飾る等)、大きな家を賃貸して一部屋だけ後から学生さん等ホームステイで貸しだす等も、家主に相談すれば日本の賃貸よりずっと柔軟に対応してもらえることが多いです。

旧市街以外はどんどん新しいマンションや家が建設されているので、新しい物件を選べば、「ヨーロッパあるある」の、「雰囲気の良い石造りの建物に住んだらパイプが古すぎて水回りのトラブル頻発!!」みたいなことも避けやすいです。

②夏の不快な暑さが全くない

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タリンの住居にはエアコンがありませんが、夏は20度前後までしか気温が上がらずとても涼しいので、そもそもエアコンが必要ありません。扇風機はデパートで売っているものの、我が家では必要性を感じなかったので購入しませんでしたが、それでも夜の寝苦しさは一度も感じませんでした。

東京の熱帯夜はとても辛いですし、ヨーロッパの他の国も、例えばパリなんてほとんどの建物にエアコンがないのに39度の熱波に襲われ石造りの建物の中で死者も出るなど、夏の暑さが大問題になっていることを考えると、タリンのこの夏の涼しさは魅力です。

③空気が綺麗で自然が豊か

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人が少なくて森が多い国だからか?世界一空気が綺麗な国に選ばれたこともあるエストニアでは、人口が最も多い首都タリンでも空気が澄んでいます。緑も多く、何気なく散歩をするのがとても気持ちがいいです。

こういう緑いっぱいの空間が住宅エリアのすぐ近く(徒歩圏内)にあるというのは、東京ではなかなか難しかったんですよね。

④e-govenmentに代表される便利な行政サービス

エストニア ビザ

こちらへ来てから様々な行政手続きをしましたが、エストニアの行政機関は問い合わせへの返信もスムーズで、英語の話せる人も多く、手続きもかなりスピーディです。

日本もこの点は優れていると思いますが、エストニアは電子政府政策をすすめているため、オンラインでできる手続きも多く、役所が空いている時間帯に手続きに行かなきゃ!みたいなプレッシャーはあまりありません。

対応も他のヨーロッパ諸国の役所と比べてとても親切ですし、書類等に不備があっても丁寧に教えてくれます。(ただし、年配の行政官の人は石のように無愛想な人も少なくないかもです・・・)

ちなみにエストニアはオンラインで完結できる会社登記の早さでギネス記録(18分)をもっているそうです。

⑤コンパクトな街なのでどこに行くのも移動が楽

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タリンはかなり小さな街なので、移動がらくちんです。

例えばうちから空港やフィンランド行きのフェリーポートまで車で15分、行政機関や中央郵便局、中央図書館、ショッピングモール等もだいたい30分以内でアクセス可能です。

バスも多く走っているので、だいたい1回の乗り換えで行きたいところにすぐ行けます。

⑥寒冷な気候の影響か害虫がほぼいない

白夜 北欧

自然が豊かで虫が少ないというのはなかなか難しいのですが、一年を通じて気温が低く虫が活動しやすい気候ではないタリンではゴキブリや蜘蛛等の虫の類をほぼ見かけません。

ただし、気温が低く屋外では虫が活動しにくいエストニアにおいても、セントラルヒーティングのおかげで室内の気温は冬でも20℃以上に保たれていて、これはゴキブリ等の害虫が繁殖・活動可能な温度です。マンションの管理の一環でもゴキブリ防止剤を配置する人が来たので、やつらの脅威はエストニアでもゼロではなく、閉めきった屋内で不衛生な状態にしているとゴキブリをはじめとする様々な虫が発生します。特に隙間の多い古い建物に住んでいる場合は要注意です!

とはいっても、20℃前後ではゴキブリも生存は可能でも活発に飛び回ったりはできないので、ゴキブリ嫌いの私はタリンでは非常に心穏やかに暮らせています。以前住んでいたシドニーでは、夏になると路上に巨大ゴキブリ(野生)が野良ネコくらいの頻度で徘徊しており、家の中には致死性の毒グモが出没するという環境だったので、よりエストニアのありがたさを感じている毎日です。

なお、目につくサイズの虫ではないですが、エストニアの草むらには感染症を引き起こすダニがいるらしいので、野外では肌を露出して草に寝転んだりしないよう注意が必要です。ダニ脳炎は死ぬ人もいる怖い病気です!!

⑦人によっては税金が日本より安い

ユーロ コイン

エストニアの税金ですが、VAT(いわゆる消費税)は20%と高いものの、所得税(個人所得・法人所得)は一律20%とある程度所得のある人にはメリットの大きい仕組みになっています(日本は個人所得の場合5%~45%の累進課税)。住民税はありません。エストニアの税制について詳しくはこちら

またエストニアで起業した場合、売上を分配せずビジネスに再投資した場合、税金がかからない等のメリットがあります。

⑧エストニアの居住許可をとればシェンゲン領域の移動が自由

フライト エストニア タリン

エストニアの滞在許可を取得すれば、ヨーロッパの多くの国が含まれるシェンゲン協定加盟国は3カ月のリミットを気にせずに移動・就労できます。国内移動と同じ扱いなので、飛行機に乗る際も1時間前のチェックインで可、またパスポートも必要ありません。

ヨーロッパはLCC(格安航空会社)が多く飛んでいますし、各国が地続きなのでレンタカーも使って、これで気軽にヨーロッパ旅行ができますね。

⑨通信費が安い

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エストニアはインターネットアクセスを憲法で国民の権利として記していることが有名ですが、本当に誰でもネットにアクセスできるくらい通信費が安いです。

うちのインターネットは上限なしで月額8ユーロ、スマホ用のSIMも2ユーロからあります。早さも特に不便を感じたことはありません。

⑩旧市街が美しい

エストニア タリン

世界遺産でもあるタリン旧市街。こちらに来て会った旅行者の多くが「バルト三国、ヘルシンキ、ロシアと旅行したけれどタリン旧市街が一番良かった!」と語るくらい、保存状態の良い美しい中世ヨーロッパの街並みが残されています。オープンテラスのカフェやレストランが並び、何度散策しても飽きない本当に素敵なエリアです。

市街内には普通に住宅の販売、賃貸もあるので、世界遺産に住むという体験もできますが(家賃は高め)、世界遺産だけに改築に厳しい制限があるそうなので、個人的には城壁の外側くらいの、アクセスは良いけど規制のないエリアに住むのがちょうどいいんじゃないかと思っています。何百年も前からあるような建物は、古すぎて設備面でのトラブルも多いみたいです・・・。

⑪透明性が高く負債の少ない政府

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エストニアは報道の自由ランキング14位(順位が高いほど自由度が高い:日本は72位)で、透明性の高い政府活動に定評があります。

また、政府債務残高ランキング179位(順位が高いほど債務残高が大きい:日本は1位)であり、負債の少ない国としても有名です。

近年エストニアでは社会保障税収に対して、医療費の支出が上回る状態にあるため、公的保険医療サービスへの支出の緊縮をする計画があるとの話を聞きました。

もちろん必要な医療サービスが提供されないのはよくありませんが、この収支のマイナスを改善する必要性がある以上、公的病院の建物が多少古めかしかろうと、緊急度の低い患者が待たされようと仕方ない(無制限に国民の要求するサービスを提供して借金を増やすよりはマシ)と個人的には思うので、私はこのエストニアの姿勢には好感をもっています。GP(一般医)がしっかり危険な状態をみわけることができる、という前提条件つきですが、ただの風邪の患者さんが専門医にかかって薬をいろいろもらうのは医療資源の無駄遣いだと思うからです。

夫の母国フランスも世界17位の政府債務が大きい国ですが、何か財政改善のための施策を政府がしようとするたび、国民の大規模ストライキが起こりなかなか困難なようですね・・・。

⑫大規模災害がない

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エストニアには人命に影響を与えるレベルの地震・台風・洪水・竜巻等の大災害が基本的にありません。そして、原発もありません。以前、自然災害リスクの低い国ランキングで一位に選ばれたこともあるそうです。

冬の寒さと大雪が唯一といっていいリスクだそうですが、暖炉しかない非常に古い家に住んでいるという場合を除き、基本的に生命に危険はありません。

⑬比較的物価が安い

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首都タリンであっても、外食ランチは3.5ユーロから、パンは一斤0.5ユーロからのエストニア。

日本も最近は物価が下がってきているので日本との比較では何とも言えませんし、東南アジアなどもっと物価の安い国もありますが、世界の同レベルの生活水準の都市と比較すると、基本的には「物価が安い国」と言えるのではないでしょうか。

⑭交通機関・タクシーが使いやすい

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タリンでは滞在許可を取得して住民登録をした場合、タリン市内のバス・トラムは無料になります。

私たち夫婦は二人とも免許を持っていないので、公共交通のみで生活していますが、バス・トラムとも清潔で時間通りに運行しており、本数も多いので、全くストレスなく利用できています。人口が少ないので、満員状態になることもイベント時等を除けばありません。

重い荷物を運びたい時や、公共交通が動いていない時間に移動したい時はタクシーが短い距離なら5ユーロ以下と安いですし、ドライバーの評価システムがあるアプリで配車をすればぼったくり等のトラブルも避けられます。

⑮医療費、教育費が安くてレベルも高い

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電子国家らしくプログラミングを子供のうちから学ぶという噂のエストニアの公教育は、基本的に無料に近いようです。大学院に関しては留学生であっても学費無料の場合があります。

教育のレベルも高く、2015年の国際学力調査ではエストニアの15歳の学力は科学が世界3位、読解力が世界6位、数学が世界9位と、フィンランドと同等の健闘をしヨーロッパではほぼトップです。日本もそれぞれ2位、8位、5位だったので、日本の教育レベルもとっても高いと言えますね。エストニアの学校システムも世界8位の評価(日本は9位)を得ています。

医療費も公的保険に加入している場合、公立病院の治療はほぼ無料。公立病院は私立病院より英語が話せるスタッフが少ない等の欠点はありますが、大きな病気や怪我でどうしても困った時に、何らかの形で医療の受け皿があるというのは安心感があります。

例えば日本でガンになった場合、高額療養費制度を使用しても治療のために月8万円の出費が必要になります。ガンのような長期的に治療が必要な病気になった場合、病気で働けない状態でこの金額を長期間にわたって負担し続けるのはけっこう大変だと思います。

日本では保険適用外の治療もエストニアでは公的保険で全額カバーされることが多く、例えば妊婦健診・出産費用、なんと不妊治療まで薬代の一部を除いて自己負担はありません。

⑯夏は日が長く、一日を長く使える

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フィンランド等と同じように、エストニアでは夏は日没が深夜になります。仕事や学校が終わった後に出かけても、まだ表が明るくなんだか得した気分になります。

真夏なんて、夕ご飯を食べ終わってもまだランチ後のような明るさです。

以下の4点は、日本との比較ではなく、諸外国と比較してエストニアに強みがあるなと思った点です。

⑰比較的治安が良い

世界で最も安全な国の1つである日本との比較ではありませんが、世界の国々の中ではタリンの治安はかなり良い方です。ホームレスの数も少なく、道にごみを散らかす人もほぼ見かけないです。

武装強盗等の暴力的な事件の発生率も低いと言われており、フランス・イタリア・スペイン等では日常茶飯事のスリ被害もあまり聞きません。

酔っぱらいが多いという話は聞きますが、少なくとも自分の生活圏内では人に危害を及ぼすレベルの酔っぱらいは見かけません。以前住んでいたシドニーでは道で酔っ払いのけんかに無関係の人が巻き込まれて亡くなった事件がありましたが、そういう話はこちらではあまり聞かないです。

アジア人であることで知らない人から道で差別的な暴言等を受けたことも今のところなく、テロのリスクも現在のところは低いと評価されているようです。

⑱お店が休日・夜も開いている

エストニアは土日・休日もレストランやショッピングセンターが開いています。また夜もスーパー等は11時くらいまで店を開けていることが多いです。

日本にはコンビニがあるので、日本人にとってはそんなにこの点はありがたみがないかもしれません。しかし、フランスをはじめとするヨーロッパ諸国では日曜日や、平日でも夜になると多くのお店が閉まってしまう国が少なくないため、フランス人の夫にとってはこれはかなり好印象な点だそうです。

⑲英語がほぼ問題なく通じる

公用語であるエストニア語がエストニアでしか話されておらず、第二の言語であるロシア語もかなり難解な言語であるためか、若い人はかなり流暢に英語を話しますし(非英語圏の国の中で英語力は世界7位です)、英語を話すことに抵抗感もないようにみえます。エストニア人の英語能力についての過去記事はこちらをどうぞ。

年配の人は英語が話せない人もいますが、どこのオフィスにも何人かは話せる人がいるので、保険会社、不動産会社、郵便局など、何か用があってどこかに行くときは、担当の人が英語が話せなければ、すぐに他の人につないでくれます。

⑳食べ物が無難に美味しい

エストニアの食事は特徴には欠けるのですが、わりと好き嫌いがわかれない食べやすい料理が多いですし、どこで食べても料理もケーキ類もそれなりにコストパフォーマンスの高いものが出される印象です。

イタリアやフランスのようにグルメをうならせる!みたいなレストランはあまりないのですが、そのへんのレストランやカフェで食べる料理が普通に美味しい感じです(ただしアジア系の料理除く)。

旧市街の観光客がたくさん来るところにあるレストランは、その状態にあぐらをかいているのか高くて不味いところもなくはないですが・・・。

 

以上、私が感じる「エストニアのタリンに移住をする20の理由」でした。

もちろん「ここは微妙だな・・・」という点もたくさんあって、利点と難点両方に触れないとフェアじゃないと思うので、マイナス面はまた別に書こうと思います。

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