バルト三国の旅~エストニア・ラトビア・リトアニアの食~

エストニアに遊びに来てくれた家族とバルト三国周遊をしたこの夏。どんなものを食べているのか、日本人には謎に包まれているバルト三国ですが、この旅でその一部が垣間みえました。

バルト三国の食

その歴史を通じて、まわりの国々との人の行き来が激しかったと言われるバルト三国。そのせいかあまり、ここが本場!これが独自の料理だ!みたいな料理はないようです。

タリンを訪れた友達に、「エストニア料理を食べたいんだけど」とお願いされて、エストニア料理をかかげるレストランやカフェに連れて行っても、「これ、ロシアで見たことあるよ?」とか、「これって、フィンランドでも食べたよ?」という反応がよく返ってきます。

辛すぎたり、変わったスパイスを使った料理は少ないので、日本人にも食べやすいのですが、周辺国のロシアやフィンランド、ポーランドの料理と共通するメニューが多いんですね。

黒パン。豚肉。オイル漬けにしん。パンケーキ、ソーセージ、キノコやひき肉の入った水餃子、ハチミツを使ったケーキ、冷製スープ、赤ビーツのサラダ、そばの実のおかゆ、小さなパイ。ヘラジカ等のジビエ。バルト三国の食事は中央~北・東ヨーロッパやロシアを旅したことがある人には見慣れたメニューがほとんどです。

メインディッシュはこのように肉をシンプルに焼いて野菜をつけあわせたような、素朴な料理のことが多いです。こちらはバルト三国で一番よく食べられる肉類である豚肉にピクルスとじゃがいも、キャベツがつけ合わせになっています。上にディルが添えてあるのも定番です。

これは日本だとほとんど見かけないヘラジカのロースト。バルト三国、北欧、ロシア、カナダ等の国々で食されるジビエです。日常そんなに食べるわけではありませんが、レストランのメニューには時々あります。

最初はびっくりするピンク色の赤カブスープもこのエリアの名物。温かいバージョンと冷たいバージョンとあります。

水餃子的な存在の「ペリメニ」。これは上に溶かしバターがかかっていますが、サワークリームをかけたりもしますし、具も羊肉だったりするので、日本人の知っている水餃子とはかなり違う味わい。

その横は、これも定番のニシンのオイル漬けにサワークリームを添えた前菜です。

そして厚めのクレープといった感じのパンケーキもよく見かけます。甘かったり、チーズが入っていておかず系だったりバリエーション豊か。

でも、バルト三国とまとめられがちでありながら、それぞれ異なる歴史をもつエストニア、ラトビア、リトアニア。

タリンに住んでいる私たちですが、今回、他のバルトの国二つを旅して、各国の食文化の違いに少し触れることができました。

エストニア・ラトビア・リトアニアの食

1:エストニアの食

エストニアの特徴は北欧諸国の影響をかなり受けていることではないでしょうか。フィンランドとはお隣で、かつてはデンマーク・スウェーデンの支配を受けた時代もありましたからね。

例えばデンマークやスウェーデンはオープンサンドが有名ですが、タリンでもオイル漬けニシンや卵を使ったオープンサンドはカフェによく並べられていますし、ライムギベースの生地にお米の入ったパイ「カレリアンピーラッカ」や、ふわふわのパンにカルダモン風味のクリームが挟まった「ラスキアイスプッラ」といったフィンランドの名物も街でよく見かけます。

こちらはフィンランド菓子の「ラスキアイスプッラ」、スウェーデンでは「セムラ」というらしいです。シュークリームみたいですが、外側はふわっとしたパンです。タリンでも春にそこらじゅうで売られていますが、店によって味が全然違います。

そしてドイツの支配を受けた時代も長かったので、ドイツっぽい料理も多いです。ソーセージやザワークラウト等・・・。こちらのソーセージは日本のものより肉っぽさが強くて食べごたえがあります。

また、他のバルト三国と同じくじゃがいもがよく使われますが、主食としては黒パンが出てくることが多いです。カラスクという、ずっしりとした重めのパンのようなものもスーパーでよく見かけますね。味はちょっと酸味があるものも多く、日本人には新鮮な味のパンです。

2:ラトビアの食

ラトビアの食はかなりエストニアと似てました。歴史的に見ても、ラトビアの首都リガもタリンと同様にハンザ同盟都市でしたし、ロシアの影響を強く受けているところも一緒ですので、当然かもしれません。

エストニアと比較すると、オープンサンド等の北欧よりの料理を見かける率が低くなり、じゃがいもの使用率が上がる、といった印象でした。

ミートボールみたいなメインにじゃがいもと赤ビーツのサラダ。エストニアでも時々みかけるコンビネーションです。

バルト三国は南に行くほどじゃがいもの存在感が増していきますね。

ラトビアもおいしいレストランが多かったのですが、エストニアとあんまり違いを感じなかったので、今回私たちは夕食に泊まったAirbnbのホストさんおススメのウズベキスタンレストランに行ってしまいました。タリンにはないジャンルなので・・。おいしかったのですが、バルト三国料理と全然関係ないですね。

3:リトアニアの食

じゃがいも。ひたすら、じゃがいも・・・。それが私のリトアニアの食の印象です。

リトアニアは、その首都がかつてドイツ商人の街として栄えたエストニア・ラトビアと違って、ポーランドとの連合国だったので、じゃがいも大国ポーランドの影響を強く受けているんでしょう。

たとえばエストニアだと、食事をオーダーした場合、黒パンが一緒に出てきますが、リトアニアは茹でじゃがいもが出てくることが多かったです。なぜかいつも「茹で」。オーブンポテトやフライドポテトはほとんど見かけませんでした。なんでなんだろう。

家族四人でそれぞれスープを頼んで、メインも頼んで、それぞれに茹でじゃがいもが3個ずつ付け合せで出てきましたよ。合計24個のじゃがいも・・・。

そして、リトアニア料理としてよくガイドブックに載っているのが「ツェペリナイ」。作るのが大変面倒くさいことで有名なジャガイモ団子の肉包みです。すりおろしたじゃがいもとマッシュドポテトを混ぜて作った生地にひき肉を包みます。片栗粉も入るのでかなりモチモチ。あまり食べたことがない食感ですね~。サワークリームが添えられています。

他にも、すりおろしたじゃがいもパンケーキの「ブルビニブリニ」も定番です。完全におかず系のパンケーキで、サワークリームとスモークサーモンが添えられていてランチにぴったりでした。

そして、これはトラカイ地方というエリアの郷土料理だということですが、「キビナイ」というパイも有名です。このパイ、中のひき肉部分が、なんだか餃子の具とか肉まんの中身のような味わいで、普通のミートパイとは一味違いました。こう、なんというか、肉汁をしっかり含んでぎゅっとしてる、というか。見た目も餃子っぽいですが。味つけもそんな感じ。


私には、リトアニアの変わったジャガイモ料理以外はわりとお互い似てるなぁという印象だったバルト三国の食事。

でも、日本と韓国も、チヂミ/お好み焼きとか、キンパ/巻き寿司とか、テンジャンクク/味噌汁とか似てる料理がありますが、日本人の自分から見たらかなり違う食べ物なように、各国の人々からみると、黒パンや赤いビーツのスープひとつとっても味の微妙な違いがあるのかもしれません。

日本だとレストランも見かけず、馴染のないバルト三国の料理。訪れる機会があったら是非食べ比べてみてください!

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