電子国家エストニアでの出産を終えて

2018年は犬を飼ったり、子供が生まれたり、その他いろいろ忙しかったりで長らくブログを放置してしまっていたのですが、先月、ついに日仏ハーフでエストニア生まれの娘ちゃんがタリンの病院にて無事誕生しました!

電子国家エストニアでの妊娠・出産

電子国家で知られるエストニアですが、そのコアは行政サービスの電子化なので、街に目に見える電子国家っぽさはなく、生活・仕事のスタイルによってはあまり電子国家的な要素に触れるチャンスがない人もいます。なので、会社経営や自営フリーランスでなければ、そんなに恩恵を受ける機会がないんじゃないかとも言われがちなのですが、妊娠・出産にあたっては普通の生活においてもそのありがたみを感じる点が多くありました。

まず妊娠中ですが、妊娠に伴う各種手続き(例えば産休関連の手続き等)などの行政手続きは全てオンラインで行えます。病院のデータは各行政機関とエストニアのデータ連携を支えるテクノロジー「Xロード」で共有されるので、何らかの紙の証明書を医療機関に発行してもらって役所に提示するなどの手間はありません。(Xロードについては週刊アスキーのこちらの記事に詳しく書かれています、)

またエストニアの市民IDカードによる個人認証は、病院の患者ポータルへのログインにも使えるので、検査結果の閲覧や検診予約の確認、変更、様々な費用の支払いもすべてオンラインで可能です。

そして出産後。出生届の提出や各種育児手当等の申請、保育園の検索・申し込みなどは、病室からスマホで完結します。出生届には両親の署名が必要ですが、今は電子署名もIDカードなしでスマホでできるようになっているので、PCやカードリーダーも必要ありません。

私たちは日本大使館とフランス大使館に紙の書類を提出する必要があったので、一度タリン市の役所まで書類を受け取りに直接出向きましたが、外国の大使館と関わる必要がないエストニア人であれば一度も役所に行く必要はないです(タリン市からの出産記念品のお皿とカップ、名前が書かれた色紙みたいなのは手渡しなので、それがほしい場合は取りにいかないといけませんが)。

出生届の登録や保育園はタリン市、各種手当の支給は社会保険省、医師による出生証明は病院の管理なのですが、このそれぞれの機関も前述したXロードでつながっているので、ひとつの機関から証明書を取り寄せて、他に提出するというような作業はここでも一切ありません。

赤ちゃんは生まれてすぐにエストニア市民IDがつけられます。なので出産翌日には、さっそく病室からそのIDでエストニア市民ポータルに出生届を出して、名前を登録しました(名前はあらかじめ日仏どちらでも通用する名前にしようと相談して決めてました)。出生届が受理されると、私の市民ポータルメインページに子供の名前が表示されるようになります。

退院後に、タリン市から紙の出生証明書を受け取り、私の側は日本大使館への出生届も提出を済ませたのですが、旦那さんはまだフランスから取り寄せ中の書類がいっこうに到着しないせいで、フランスに出生届が出せずに大変苛立っています・・・。

あまりに来ないので配達中にどっかに落ちたんじゃないかとの疑いもあり、問い合わせたところ、単にまだ発送していなかったという。数日で発行って言ったのに、もう1か月くらいたってますね。夏のバケーションシーズンのフランスあるあるです。

こんな感じで、何かと便利なエストニアでの妊娠・出産前後の手続きでした。

妊娠中・出産後って、外出が難しかったりする状況もあると思うので、色々な手続きがストレスなく家でできるのはありがたかったです。

その他の感想① やっぱり入院期間は短い

ここからは電子国家関係ない、ただの出産体験の感想なのですが、海外出産ならではで入院期間は3日とかなり短かったです(深夜すぎに生まれて、その日を入れて3泊)。

日本の家族や友達には驚かれましたが、エストニアの出産後の入院期間は最短24時間ほどらしいので、私は長く病院にいたほうなんですね。

私自身は出産後すぐ帰れるくらい元気だったのですが、赤ちゃんの血液検査で炎症反応が出ていたため(CRPが高かった)経過観察になったのが理由です。結局は治療せず、CRPが落ち着いたので、数日後に小児科医の外来診察が予約されて無事退院となりました。

その他の感想② 硬膜外麻酔を使用した出産が一般的

日本では数%しか行われていないという硬膜外麻酔による和痛分娩ですが、エストニアでは一般的です。予約等も必要なく、出産当日に依頼できます。他にも和痛分娩の手段としては笑気ガスもありました。

とはいっても、出産を基本的に取り仕切る助産師さんたち(医師は常に待機していますが、分娩室内は基本的に助産師さんだけでした)は硬膜外麻酔をあまり積極的に使用したくない雰囲気の人が多かったです。

フランスは硬膜外麻酔による無痛分娩が多数派なのですが、エストニアは半分弱くらいと聞いたことがあるのは、そんなところが影響しているのかもしれません。

私も検診の時の担当助産師さんに、「痛みへの耐性は人それぞれだから、とりあえず麻酔なしで様子を見てみたらどう?」と言われたのと、実際の出産にあたっては、前半は温水をあてるだけでも耐えられるレベルの痛みだったので、当日担当の助産師さんにも「それで頑張ってみたら?」と言われたので、途中までは麻酔なしで陣痛をやりすごしていました。

でも結局陣痛が始まってから生まれるまで24時間以上かかり、後半は痛みの強さも温水でごまかせるレベルではなくなってきたので、最終的には硬膜外麻酔をお願いしました。

麻酔科のドクターが他の人の手術に入ってしまっていたので、麻酔をお願いしてから結局1時間程度は痛みに耐えつつ待つことになりましたが、麻酔が入って効きはじめたところから、まったく辛くなくなって、こんなことなら最初からお願いしておけば良かった・・・と思いましたね。

でも後半戦を比較的穏やかにすごせたおかげか、産後の回復はお手伝いにタリンまで産後のヘルプに来てくれていたお父さんがびっくりするくらいすみやかでした。体力を温存できたのかな。


そろそろ生後1か月になる赤ちゃんですが、すくすく大きくなっていて、ひたすらかわいいです。

習得言語をどうしようかとか(日仏がとうぶんメインだけど、学校はどの言語で通うのがいいかとか)、いろいろと悩むところは多いですが、まずは家族3人+わんこ、ねこの生活を楽しもうと思います!

 

3 follow us in feedly

2件のコメント

  1. ご出産、おめでとうございます㊗️

    現在タリンに2ヶ月前から住んでいる者です。長年のエストニア人の彼との遠距離を経て、こちらにやって来ました

    エストニアについて日々、学びの毎日ですが、Yokoさんのブログをよく参考にさせて頂いています。ありがとうございます。

    無理はなさらず、赤ちゃんと旦那さんとの時間を大切にされて下さい

    1. コメントありがとうございます!
      タリンでの新生活ワクワクですね!これから寒くなりますが、まずは秋の紅葉(というか黄色?)美しいタリンを楽しみましょう ;)

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください