こんにちは!ブログを訪問してくれてありがとうございます。 初めましての方はこちらもどうぞ→ このブログについて
去年は夫の両親が遊びに来たのですが、今年は私の両親がタリンに遊びに来てくれました。タリンでゆっくりしても良かったんですが、せっかくはるばる日本から来てくれたので、バルト三国を周遊してみることに。
日本では「バルト三国」とざっくりまとめられてしまうことが多いエストニア・ラトビア・リトアニア。旅してみると意外にも!それぞれの色というか特色、違いが強く感じられました。ホントに全然違った~!
バルト3国といってもどこにあるか日本でほとんど知られていない(ヨーロッパの人ですらあまり知らなかったりする)ので、下に地図を。フィンランドやストックホルムとロシアの間にあって、ポーランドの右斜め上に位置してます。
バルト三国の世界遺産「旧市街」の違い
エストニア・ラトビア・リトアニア、このバルト三国は三カ国ともその首都に旧市街とよばれるエリアが残されていて、それぞれ「歴史地区」として世界遺産に登録されています。
隣り合った国同士で同じような世界遺産があるので、タリン旧市街の近くに住んでるし、ラトビア・リトアニアの歴史地区を旅することにそれほど意欲的でなかったこの1年半。ちょっと後悔しています。この3つの旧市街は、それぞれがかなり個性豊かでした。
1:エストニア タリンの旧市街
タリンの旧市街をユニークにしているのはなんと言っても抜群の保存状態を誇る城壁と見張り塔です。中世に城壁に囲まれた要塞都市だった街はヨーロッパにいくつもあるのですが、タリンの城壁は特に保存状態が良いそうです。
トゥームペアと呼ばれる20~30m高い王族・貴族が住んだ「山の手」エリアと、城下町だった「下町」エリアがはっきりわかれているのもタリン旧市街の特徴。「山の手」エリアからは城下町と城壁・見張り塔が一望できます。
中世のドイツ商人たちのつくりあげたハンザ同盟都市だったため、リガの旧市街と共通して、尖塔をもつ教会と商人の家が立ち並んでいますが、パステルカラーのかわいらしい小さな家が多いです。なんというか、おとぎの国、おもちゃの街感が強く「かわいい」のがタリン旧市街の特徴だと思います。
そして衣装に凝ったレストランも多いため、街全体にテーマパークっぽさが漂っている・・・。
2:ラトビア リガの旧市街
ラトビア リガの旧市街もタリンと同じくハンザ同盟都市のひとつだったため、高くそびえたつ教会の塔とかつてのドイツ商人の家が立ち並んでいる点はタリンと同じです。しかしリガ旧市街は城壁がすでにほぼなくなってしまっていて(ごくごく一部だけ残されてます)、そのあたりタリン旧市街のような外から隔絶されたおとぎ話の街感はありませんでした。
でも、リガの歴史地区で魅力的だなと感じたのが、旧市街が運河と川に囲まれているところ。遊覧船も出ていて、ちょっとしたクルーズを楽しむことができます。運河のまわりも公園になっていて、外でごはんを食べたりするのに気持ち良かったですね~。水辺のある街っていいです。
旧市街の街並みの雰囲気もけっこう違いました。リガ旧市街に立ち並ぶ建物は、タリン旧市街のパステルカラーのおもちゃのような家と違って、もっと大きくしっかりとした建物です。そしてアールヌーボー建築の影響を強く受けたというリガの街。かつて「バルトのパリ」と呼ばれたこともあったそうですが、このアパルトマン風の建物が立ち並んでいるところや、装飾過多気味の外観の建物の多さから、「たしかに!」と感じました。
そして、タリンで教会の塔に登ってみたかったけれど、長く続く螺旋階段に諦めた方、リガ旧市街の聖ペテロ教会はなんとエレベーターがついています。13世紀より前に建てられたこの教会、よくうまいことエレベーターを設置できたものですね・・・。
高いところから歴史地区を一望したいけれど、階段地獄は嫌という方、リガの旧市街はおすすめです!
3:リトアニア ヴィリニュスの旧市街
面積的にはバルト三国最大というヴィリニュス旧市街。こちらはさらにタリンとは別物でした!
まずヴィリニュスは他の二都市と異なり、ドイツ商人がつくりあげたハンザ同盟都市ではありません。一時期はポーランド人が住民のほとんどを占めていたというくらい、ポーランドとゆかりの深い街です。現在でもヴィリニュスの人口の20%近くはポーランド人らしいです。なので、タリン・リガの旧市街の特徴であるドイツ商人のおうちと高い高い教会の尖塔がみられないんですね。
そんなヴィリニュスの旧市街はいろいろな様式の建物がミックスされているのですが、カトリックを信じる人が世界一多いと言われるポーランドの影響を受けてか、ヴィリニュス旧市街の特徴はとにかくカトリック教会が多いこと(リトアニア人も多くがカトリックであり、そこは他のバルトの二カ国と異なります)!そして教会の装飾もタリンやリガと比較して多めです。
リガが「バルトのパリ」なら、ヴィリニュスは「小さなローマ」と呼ばれているのも納得できました。彫刻や内部装飾が美しいですね~。ヴィリニュス旧市街も城壁はなく、エリアが広いこともあって街と森の中に旧市街が自然に広がっている感じです。
そんな似て非なる3つの世界遺産。まとめると
・タリン旧市街⇒城壁に囲まれて、こぢんまりしたパステルカラーの商人の家と教会の尖塔が並ぶ「バルトのおとぎ話の街」。よく英語でBaltic Fairy taleと表現されていたりします。
・リガ旧市街⇒植物、人の顔等のモチーフを多用したデコラティブな建築が並び、運河が美しい「バルトのパリ」。バルトの貴婦人/バルトの真珠とよばれたこともあったロマンチックな街。
・ヴィルニュス旧市街⇒美しい彫刻やステンドグラス、内部装飾に彩られたカトリック教会が見どころの「小さなローマ」。教会の街と呼ばれることも。
それぞれの国を行き来するのに、長距離バスや列車で数時間、国境でのパスポートチェックもなく、通貨もすべてユーロと周遊旅行しやすいバルト三国。
是非エストニアに来られた方も時間があったら、ラトビア・リトアニアにも足をのばしてみて下さい!
1件のコメント